ドラゴンボールに代表される週刊少年ジャンプの格闘漫画の祖は
なんぞやと考えたときに
オリジナリティや認知度の獲得など総合的に考えた場合
「リングにかけろ」が祖として貢献度が高いと思います。
というわけでゆるめではありますが
「リングにかけろ」≒「車田正美」≒「少年ジャンプ格闘漫画」論を
展開してみたいと思います。
※まあ漫画寄りですけども一応アニメのある作品なのでアニメ記事とさせていただきます。😌
「リングにかけろ」は、1977年から「週刊少年ジャンプ」で連載され、
当時のジャンプ誌の中で爆発的な人気を集めました。
当時の読者層への影響は非常に大きく、
以下のような理由から支持されているのではないかと思います。
●格闘系ジャンプ漫画としての要素
・迫力あるアクション描写
作者の車田正美は、スピーディーでダイナミックなアクションシーンを描くのが得意で、特にボクシングの試合シーンの演出が非常に印象的でした。
大技を繰り出す瞬間のコマ割りや、力強い作画が読者を引き込み、
感情移入を促しました。
このアクションのスピード感と迫力は、
当時の他の漫画と比べても特に際立っていました。
・「友情・努力・勝利」のテーマ
「リングにかけろ」は、ジャンプの代表的なテーマである
「友情・努力・勝利」をしっかりと描いており、
若年層に強く訴えかけました。
兄弟愛や、仲間たちとの絆が試合を通じて描かれ、読者の共感を得ました。
***
序盤は主人公と姉の物語が強調されていますし
国対抗のチーム戦などで団結する場面が多いので友情も強調されています。
トレーニング描写もありますね。
特に「友情」と言う意味では、後のキン肉マンに大きく継がれています。
キン肉マンには作品内で「リングにかけろ」の話題が出てきたりします。
・キャラクターの魅力
主人公の高嶺竜児や剣崎順をはじめとする個性豊かなキャラクターたちは、読者に強く支持されました。
特に、ライバルキャラクターである剣崎順は、
その高慢でありながらもカリスマ的な存在感で、
多くの読者から支持されました。
このような魅力的なキャラクター設定が、物語をより一層引き立てました。
剣崎順はドラゴンボールでいえば、ベジータに近いキャラですかね
エリートでプライドが高い、悪ではないですがw
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また車田氏の描く絵は、美男子キャラが多いので女性受けもしやすく
少年漫画に女性読者を流入させたのではないかと思います。
高嶺竜児や剣崎順ともに、
当時の劇画調の男らしさを強調した漫画と比較すれば
甘い感じの面構えになってますね😋
これが爆発するのは、聖闘士星矢なんじゃないでしょうか
・転調
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「リングにかけろ」も序盤は普通のスポ根に仕上がってるんですが
途中から独自の格闘漫画路線になってて
ここから先が車田氏の発明なんでしょうね。
キン肉マンもドラゴンボールも序盤は「コメディ路線」ですので
転調するという意味でも、大きな影響を残しているかもしれません。
幽遊白書は序盤が「探偵モノ」ですね。またの名を路線変更w
・トーナメント戦
キン肉マンや、天下一武道会、暗黒武術会、中忍試験などでも見られる
トーナメント戦の多さもリンかけの特徴です。
これはボクシングという枠から来てますね。
・階層バトル戦
塔に上って、一階あがることに敵が一人いて
それと対決していくというフォーマットがリンかけにあります。
要するに「敵を倒さなければ先に進めない」ってやつです。
これは、後の聖闘士星矢の十二宮フォーマットへとつながります。
ドラゴンボールは、レッドリボン軍の塔、ブウ編のバビディの宇宙船、
幽遊の迷宮城などもこれにあたりますかね。
キン肉マンでは、ウォーズマンの体内バトルがこれですね。
・リアルなボクシング技術とフィクションの融合
ボクシングというリアルなスポーツに、
フィクションの要素や誇張された技術を組み合わせることで、
現実にはあり得ないような「必殺技」や「大技」が次々に登場しました。
これにより、現実的なボクシングファンだけでなく、
ファンタジーやバトル漫画が好きな読者層にも広く支持されました。
「リングにかけろ」は、少年ジャンプの黄金時代を切り開き、
少年バトル漫画の一つのスタイルを確立した作品として、
非常に大きな影響を与えました。
***
これは「あしたのジョー」(1967-73)と比較すれば明確ですね。
クロスカウンターなどの決め技はあるものの、
かなりリアルを重視していたのが当時のボクシング漫画です。
・叫ぶ必殺技演出スタイルの確立
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当時の必殺技というと、特撮のほうが目立ってると思うんですが
その必殺技の要素を漫画に強く盛り込み、
人気獲得に成功したのは車田氏といえるのではないでしょうか。
それがのちの叫ぶ必殺技演出、
ペガサス流星拳、キン肉バスター!、かめはめ波、霊丸、斬月、螺旋手裏剣
などに繋がっていってます。
「あしたのジョー」では、必殺技を叫ぶシーンなどはありませんし
必殺技は決め技的なものでしかありません。
■洗練されてない部分
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ちなみにこの作品は、リアルに見ると大きな矛盾を抱えてるわけです。
主人公たちは少年です。
問題は少年ボクシングのほうが…
大人ボクシング(プロ)より強くなってしまっている点ですね。
そこの意味不明さを作中で説明してなかったと思うんです。
これは「聖闘士星矢」では、「聖闘士なんだから」「小宇宙があるから」で説明つきますが
リンかけは超人的な差別化の説明をしてないと思いますw
そこは世界観の構築という意味では弱点かもしれないですね。
そもそも少年のパンチで
高い会場の屋根まで人間の身体がふっとぶわけですからw
プロもなにもありませんね😋
■どういう必殺技があるの?
「リングにかけろ」には、多くの印象的な必殺技が登場し
、それぞれのキャラクターが独自の技を駆使して戦います。
以下に、代表的な必殺技をいくつか紹介します。
・ブーメランテリオス(高嶺竜児)
原理はよくわからないらしいですが…二重の効果を持つ必殺技。技を出す際の力強い描写と、破壊力のある威力で多くの敵を倒しました。
・ギャラクティカ・マグナム(剣崎 順)
剣崎の必殺技であり、強力なパンチを相手に打ち込む技。パンチが打ち出されるスピードが圧倒的で、敵を吹き飛ばすほどの威力があります。「リングにかけろ」内で非常に有名な技のひとつで、剣崎の強さを象徴する技です。これの進化系がギャクティカ・ファントムです。
リングにかけろの必殺技といえばこれ。
パンチというか…なんか爆発してるようなエフェクト起きてるしw
正直…主人公の技より…この技のほうが強そうなのである😆
ちなみにギャラクティカとは
和製英語らしいです。
「銀河の」という感じの意味なのでしょう😋
他にもローリングサンダーとか、ハリケーンボルト、
ジェットアッパーなどなど
敵も序盤を除けば…必殺技持ちがほとんど!
と言った感じで
「リングにかけろ」の必殺技は、リアルなボクシング技術に加え、
ファンタジー的な要素が盛り込まれているため、
少年漫画らしい迫力と魅力が詰まっています。
それぞれの技がキャラクターの性格や背景と結びついており、
物語の緊張感を一層高めています。
■漫画「リングにかけろ」は当時どのくらい売れていたのか
「リングにかけろ」は、1970年代後半から1980年代にかけて「週刊少年ジャンプ」で連載され、当時としては異例の大ヒットを記録しました。
累計発行部数は約1300万部とも言われており、
ジャンプの発展に大きく貢献しました。
当時の売上からするとかなり大きいヒットです。
1000万部突破で大ヒットの時代です。
1978年でのドラえもんの売上は1500万部だそうです。
ド根性ガエルが300万部。
この売上は、ジャンプの黄金期を迎えるきっかけにもなり、
後の「聖闘士星矢」「北斗の拳」や「ドラゴンボール」など、
ジャンプのバトル系作品の方向性を定める礎を築きました。
売上の大きな要因は、斬新な必殺技や迫力あるアクション描写、
さらに「友情・努力・勝利」のテーマをしっかりと描いていたことでした。
当時は「リングにかけろ」が連載されると、
「ジャンプを読むのが待ちきれない」と言われるほどで、
ジャンプの人気向上に大きく貢献した作品のひとつといえるでしょう!
■語り継げ!
リンかけを知らないでジャンプ格闘漫画を語ってる人は
お話にならないですね…😋
知らない人は原点を知っておいてほしいと思います。
じゃないと評価の基準が「新作・同世代作品のみ」になり
歴史的評価というのものが成立しなくなってしまいます。
「後に生まれたもの勝ち、コピーしたもの勝ち」そんなアホな評価の仕方が蔓延したら文化の終焉です😣
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